この上半期、映画界で、ある作品が話題となった。
芯からゾッとする作品だ。
身の毛もよだつ。
しかし、ホラー映画ではない。
タイトルは「PLAN75」という。
倍賞千恵子が主演した。
7月21日時点で興収2億7000万円を記録し、限定的な公開作品、いわゆる単館系興行の作品としては、異例のヒットになっている。
遠くない将来の話だ。
今も厳然とある高齢化社会が、背景にはある。
このような設定自体が「ゾッとする」「身の毛もよだつ」といった感情を、筆者に引き起こしたのではない。
確かにおぞましい制度であるのは間違いないが、それを淡々と受け入れていくような人間描写に「ゾッとし」「身の毛がよだった」のである。
周囲に相談することなく、何か自己主張するでもなく、制度へ向かっていくのだ。
揺れ動きは、微妙な表情の変化に現れるが、内面や行動原理は、映画を見る側が想像するしかない。
いったい、どうすればいいのか。
映画は、その答えを明確にしているわけではない。
ここから、この国の痛ましさを感じるか。
もどかしさを感じるか。
突破の道をまさぐるか。
ヒットの理由は、海外の映画祭での受賞という話題性などもあったとは思うが、やはり中身の今日性、身近な感覚が多くの人に響き、届いたことが大きいだろう。
上半期の重要な作品の一本である、とアサ芸プラスが報じた。
倍賞千恵子 – Wikipedia
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