プーチンは柔道で相手のスキを見つける勘を学んだ

ロシアとウクライナはもともと同じスラブ民族。

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナを「兄弟国家であり家族の一員」と称していたのだ。

私は時事通信の記者として、計8年モスクワに駐在したが、初期のプーチン大統領はプラグマティックで、欧米首脳の評判もよかった。

しかし、欧米やウクライナとの対立が拡大する中、民族愛国主義を掲げる保守イデオローグに変身し、遂に侵略戦争に踏み切った。

だが、この発想は1991年のソ連崩壊に伴う、独立後のウクライナへの無知と誤解を示している。

私は2004年、ウクライナ大統領選の不正に抗議したオレンジ革命を取材したが、200万人の市民が首都キーウに集まり、親露派大統領候補への反対やEU加盟を叫んでデモ行進した。

9世紀に誕生したキエフ公国がスラブ族の最初の国家で、次第にロシア、ウクライナ、ベラルーシの三民族に枝分かれした。

「プーチンはウクライナ侵攻に際して、バイデン米大統領は対中戦略で手一杯、ショルツ独首相は就任したばかりで指導力不足、ゼレンスキーウクライナ大統領は支持率低迷という状況を見て、スキありと考えた」という。

一般のロシア人は、「ウクライナとロシアは、民族的にも文化的にも宗教的にも言語的にも、一つ」とみなしている。

だが、この発想は戦後の国際秩序に真っ向から違反し、西側諸国の激しい制裁に遭った、とアサ芸プラスが報じた。

プーチン は柔道で相手のスキを見つける勘を学んだ