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椎名林檎 アルバムへのこだわりの仕掛けを解説

5月9日放送『関ジャム完全燃SHOW』が行った企画は、題して「プロが選んだアルバムで聴いて!!J-POPの名盤」。
ゲストの鷲見玲奈とヒャダインによるやり取りだ。
しょせんは商業音楽、別に良くなくはない。
フィジカルでCDを購入する人は間違いなく減っているだろうし、アルバム1枚通して聴くなんてもはや少数派だと思う。
アルバム全体を理解するため6~7曲目辺りの“捨て曲”を聴き込み、強引に好きになるという向学心も今や昔の話。
アルバム単位の聴き方には筆者も愛着があり、パッと思い浮かぶのは『ヘッド博士の世界塔』である。
どちらも、「アルバムで聴いて!!」と訴えたくなる作品だ。
ちなみに、昨年10月11日にも同様の企画が行われており、そのときに紹介されたのは以下のアルバムだった。
今回の選者であるAAAMYYYが取り上げたアルバムは、『勝訴ストリップ』だった。
仕掛けが多い次作『加爾基精液栗ノ花』が企画趣旨に合う気もするが、今作は今作で語りがい十分。
優れたアルバムほど“つなぎ”が秀逸な作品が多い。
4曲目「家庭教師」では不穏で変態チックな空気にしておいて、5曲目「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」が始まるやキラキラした放課後へ一気にワープするあの一瞬の間。
7曲目「罪と罰」を中心に、曲タイトルの文字数、漢字、平仮名、カタカナの配置をシンメトリーに配置したというこだわりだ。
ちなみに、『勝訴ストリップ』の収録時間は全曲を合計して55分55秒。
どちらのアルバムも狂っている。
選者・大橋トリオが挙げたのは、矢野顕子『SUPERFOLKSONG』だった。
確かに大橋は矢野顕子が好きそうだが、だとしても選んだアルバムが渋い。
普通なら『JAPANESEGIRL』を持ってきがちだが、彼が選んだのはカバーアルバムなのだ。
佐野元春の名曲「SOMEDAY」も、山下達郎の「スプリンクラー」も、矢野のオリジナル曲みたいなのだ。
アレンジの程度がえげつなく、アレンジの域を超えてしまっているのだ。
そういえばボブ・ディランのライブに行くと、原曲をアレンジしすぎて何を歌っているかわからない事態になるのはお馴染み。
オープニングはナレーションだし、場面の変わる箇所には小品曲がジングルばりに入るし、さらにはインフォメーションまで挿入された。
まさに、昭和のテレビを意識したアルバムだ。
この手の手法を取るコンセプトアルバムは昔から多い。
ジングルやコマーシャル曲を挟み込み、アルバム全体を1つのラジオ番組に模したザ・フーの『セル・アウト』はその代表例だろう。
アルバムだからできる、楽しいアイデアである。
前回に比べ、知る人ぞ知るアルバムが増えた印象だ。
奇をてらったようにしか思えないアルバムも見受けられ、『ALONGVACATION』を選んだ堂島孝平が逆に場違いに見えかねなかったほど。
「アルバムで聴いて!!J-POPの名盤」という特集なのに、地味曲を飛ばしてシングルばかり紹介する番組の構成が不可解だったのだ。
枚数はもっと少なくてもいいから、1枚のアルバムをより深く解説してほしかった。
もし気になるアルバムがあれば、すぐにチェックできるのはサブスク時代のメリットだと思う、と日刊サイゾーが報じた。

椎名林檎 – Wikipedia

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ソース:日刊サイゾー

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